【第20回:準備】ついにキックオフ!学校の働き方改革を始めよう

  • STEP.1
    教材室を片付けてみる
  • STEP.2
    不用品置き場①を作る
  • STEP.3
    校長と話す
  • STEP.4
    プレゼン資料を作る
  • STEP.5
    衛生推進者になる
  • STEP. 6
    職員会議でプロジェクトを立ち上げる
  • STEP. 7
    キックオフ!

ゆとり先生くん

今回は、改革スタート時のアナウンスについて学んでいきましょう。
何を話すのか…か。

ベテラン校長さん

ワトソン校長先生、突然ですが忙しい職員室の空気って淀んでいませんか?
そうだね。みんな疲れてるのに誰も休憩しますって言わないもんね。

それは無意識ではありますが先生たちに「子どものため」というバイアスがかかっているからなのです。
休んだらサボってるような雰囲気。

そんな空気をガラリと変えてやるために改革のアナウンスをするのです。「子どものため」に変わるパワーワードをワトソン校長先生だけに教えます。
なになに?

それは「職員の健康のため」です。今から解説します。

職員の健康のために

近年、学校へのニーズが高まり、通常業務も業務以外の対応も増え過ぎました。普通にやっていたら終わりません。

確かにニーズは増えました。でもやり過ぎているのは先生です。先生は真面目だから子どものことを考えるとどんどんやってしまいます。先生は真面目だから勤務時間を超えてやっていることは全て子どものためだと言って自分の体に嘘をつきます。

でもそうじゃない。大事なのはいかに勤務時間内に教育をするかです。できないなら潔く削る。それが今、本当にすべきことです。

一番は職員の健康。勤務時間を守る。休憩を取る。これは絶対。二番に子どもの教育です。

職員の健康を守ることは職員にしかできないのです。

衛生推進者として職員の健康を守る

衛生推進者は職員の安全と健康を守る専門家です。10人以上50人未満の中規模の事業所で選任が義務づけられています。(労働安全衛生法第12条の2、労働安全衛生規則第12条の2)

専門家と言っても先生が担うことになりますので、仕事的には1つ増えます。

衛生推進者講習を受けて資格を取得したら、新年度が始まって14日以内に職場で衛生推進者として任命してもらいます。どこかに届出を出す必要はありませんが、任命されたら名前が分かるように前に掲示しておきましょう。

ということでワトソン校長先生。僕を任命していただけますか。
さっきから何その呼び方。はい。任命しました。

これで「職員の健康を守る」という大義名分が完成しました。

この資格は労働安全衛生法により、労働基準局長が定める衛生推進者養成講習を修了した者だけに与えられる資格です。したがって、他の先生とは違った立場でものが言えるようになるんですよ、ワトソン君。

あ…シャーロックホームズの気分なのね…

ちなみに、衛生推進者にならなくても同じようなことはできるが、あるにこしたことは無いのさっ。
もう役が乗り移ってる…

キックオフスピーチをしよう

改革のスタートはスマートに15分で行います。資料を配り、以下について短く話します。

  • 教育界を取り巻く現状
  • 衛生推進者の意義と法的根拠
  • 学校の課題
  • 改革の目的とテーマとゴール
  • 活動を貫く考え
  • 具体的に誰が何をするのか
  • 計画予定表

みなさん。今日は貴重なお時間を割いていただき、ありがたいかぎり。今回の短期プロジェクトについてお話しします。ワトソン君。
あ、資料どうぞ。まわして下さい。

まず現状だが、先生たちは働きすぎている。2020年からは新学習指導要領もある。だから改革が必要。

次に学校には「衛生推進者」と呼ばれる役職を置いて職員を健康に働かせなければならない。根拠は労働基準法と労働安全衛生法にある。

この学校の課題であるが、それは物が多く職員室内が非効率な配置であること。衛生推進者として快適で効率的な環境を作る。

目的は、効率化。そのために物を減らし、働きやすくなるようレイアウトを変える。テーマは「職員室のダイエット」。8月までに500kg廃棄する。

活動は学校の5Sの考えを基に行う。整理・整頓・清掃・清潔・習慣だ。全職員で快適な職場を作る。

そのために職員室内に不用品置き場を設ける。2日経ったら私が廃棄する。よく見ておくように。ものが減ったらレイアウトを変える。そのときは手伝っていただきたい。

最後に予定表。このスケジュールで動く。私からは以上です、ありがとう。行くぞ、ワトソン君。
校長からもお願い!じゃまた!

これに肉付けして話せば大体大丈夫だと思います。

ここまで端的に話すためには、やっぱり念入りな準備が必要ですね。

これから改革をしてみたいと思った先生へ

もしもこのブログを読んで少しでも学校を変えたいと思った方がいらっしゃったら、まずは仲間を集めてみて下さい。僕が勤務校で行なっている改革も仲間の先生が大きな力となってくれています。

仲の良い先生に打ち明けるもよし。ベテラン先生に打ち明けるもよし。結局、教育について話をする時間が大切なのです。

きっと学校の5Sの考えは今後多くの学校に取り入れられることになると思います。

それは労働安全衛生を軸にしているし、超低予算だし、今のニーズに合っているから。どの学校にも合うようにデザインしました。

今始めれば時代を先取りできるかも。

願わくばトップダウンではなくボトムアップ。若手の先生が柔軟な発想で改革を推進してくれると嬉しいです。

令和が教育界にとって良い年になりますように…
あれ、いつになくまじめだね。

いや、あれだよ。いい年になれって、ホームズ思うんだよね。
あ、まじめが恥ずかしくて隠した!

ホームズチャンネーオモウンダヨネーレイワガキョウイクカイニトッテネー
裏声で言ってもダメーー!

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