外部化のセンセイ
最近、「先生の長時間労働」が注目されています。調査をしたら実は先生達が働きすぎだったことが判明したんですね。授業に成績処理、指導に事務仕事…さらに部活動!確かにこれじゃ時間がいくらあっても足りませんね。
長時間労働を減らすためには、まず教員の一番の負担となっている部活動を改善して時間を作る必要があります。(小学校部活動は教育課程外。他県ではやっていない。)
でもその進め方がわからないんですよね。管理職も動いてくれなさそうだし…
そこで今回は、小学校部活動の外部化の方法を紹介します!
学校全体で取り組んで快適に働けるようにしていきましょう〜
部活動の外部化ってどういう状態?
教員以外の第三者が部活動を見る状態です。学校はグラウンドを貸します。
第三者には、外部顧問、外部指導者、ボランティア大学生、PTAの方などがいます。
部活が教員の手を完全に離れたら外部化ができた状態だと言えそうです。
外部化のセンセイ
どうやって外部化するの?
一人でいきなり「外部化しましょう!」と言ってもまず通りません。部活動の外部化ってとても難しいんです。それは、先生、児童生徒、保護者がそれぞれ色んな想いをもって取り組む活動だから。
ここで大切になるのが感情マネジメントの視点です。
まずは誰がどんな想いをもっているかを整理して、学校内で「どんな部活動にしていきたいのか」を考えなければなりません。その実現のために地域の人にも協力してもらうんです。
大筋の流れは以下の通りです。
部活動を外部化するまで
- STEP.1下準備部活動を辛いと思っている職員を探そう
- STEP.2話し合う部活動の共通理解を図ろう
- STEP.3部活動の方向性を決める活動時間・下校時間・大会・顧問など細かく決めよう
- STEP.4外部協力者を探す大変だけど営業でゲットしよう
- STEP.5新しい部活動スタート!初めは外部の方と協力してやろう
では、ひとつずつ説明していきますね。
STEP .1 下準備
まずは改革の仲間を集めましょう。
きっとこのページを見ている先生の中には、部活動がなければ…と思っている人もいると思います。それは職場も同じ。「辛いぜ部活動!」と思っている人を探してみましょう。
オススメは、部活動指導中にそっと近づいて行って、横で独り言のように
「なんとかしたいよね〜部活」と言ってみることです。
部活大好きな人は「なんかいい練習法ないんすかね〜」と返すでしょうし、部活が辛い人は「教員がやるのも限界ですよね…」みたいに返します。鎌をかけるんですね。
部活動をなんとかしたそうであれば「部活動やってもいいし、やらなくてもいいよって言われたらやりたくないですか?」と聞いて下さい。理由は後で分かります。
5人程度仲間ができたら理想の部活動についてわいわい考えてみましょう。するとその案を実現したくなってくるはずです。
そうなったら体育主任や部活動担当に声を掛け、「部活動を学校全体で見直したいです」と打ち明けるのです。数人からの嘆願を断る人はいません。ファイト!
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STEP .2 話し合う
部活動の話し合いはパンドラの箱です。開けたら最後、100%改善に向かいます。
なぜなら部活動は長い間、暗黙の了解で成り立ってきたからです。
「部活動の在り方を決める検討会」と銘打って3回ほど議論し、見直しを行いましょう。見直しをするからには、勤務時間や休憩、部活動ガイドライン等についても触れないといけません。話し合い前によく調べておきましょう。
では次に、話し合いの必勝パターンをシュミレーション形式で見ていきます。
話し合いが始まりました。
今回の出席者は部活動に関わる先生10人と校長、教頭、教務主任です。
まず始めにマウントを取りましょう。
あなた
校長は必ず「職務ではない」と応えます。勤務時間外の部活動は超勤4項目外の活動だからです。
さらに次のように聞きます。
あなた
校長は必ず「拒否権はある」と応えます。勤務時間外まで職務を命ずることはできないからです。
最後にあれを使います。
あなた
この時、準備で集めた仲間が効いてきます。
5人同時に手を挙げて一斉顧問拒否するのです。
場がザワつきます。
もちろんこれは顧問拒否が目的ではなくアイスブレイクのようなものです。
主導権を握って話し合いを有利に進めましょう。
STEP .3 部活動の方向性を決める
校長先生の「お願い」を封じて、5人同時に顧問拒否しました。
みんな頭を抱えています。
そこで白々しく一言。
あなた
顧問がいなければ部活動は縮小か外部化の2択になります。
なのでこう切り出します。
あなた
他の先生からはいやいやそれは無理でしょ!という声が聞こえてくるでしょう。
あなた
このように話を進め、活動時間・下校時間・大会・顧問等、具体的な内容を絞り込んでいきます。
コントラストの原理を利用した錯覚をかけているので、「全廃よりはマシ」という感覚でみんなポンポン意見を投げてくれます。
もちろん休憩時間や勤務時間もしっかり考慮します。そうすると外部の人に頼らざるを得なくなるので、誰なら協力してもらえそうか校長に考えてもらいます。
ここは学校によって色々だと思いますが、
みんなが納得する折衷案を考えて、同じ目標に向かって進むことが一番大切ですヨ!
STEP .4 外部協力者を探す
方向性が決まったら外部協力者を探します。
協力していただけるのは外部顧問、外部指導者、ボランティア大学生、PTAの方などです。
部活動説明会を開いて、学校の現状を保護者の方にも知ってもらうと共に求人をかけます。
外部顧問や外部指導者は誰も用意などしてくれません。辛いですが教育大学やクラブチーム、保護者など色々な方面にアプローチして自分達で確保しなければなりません。
外部化のセンセイ
ですが探してみると無償でも部活動に関わりたいという人は実は結構います。
それぞれの想いを考えてみましょう。
- サッカー好きのお父さん(自分のチームを作りたいな)
- PTAバレーのお母さん(いつもPバレーで体育館使わせていただいているから)
- 少年野球の監督(異年齢を見られるから今後の指導の参考になるなあ)
- クラブチームのコーチ(いい子がいたらクラブチームにも誘えるな)
- 教職を目指す大学生(教育現場を実際に見て子供と関われるのは貴重だ)
こうした方達にとっては部活指導がメリットになるのではないでしょうか。(あくまで予想です)
さらに多くの目で見てもらえるので子どもにもメリット。先生にもメリット。
部活動の外部化はWin-Win-Winなんですね〜
まとめ
いかがでしたか。
今回は小学校部活動についてでしたが、中学校部活動にも通ずるものがあると思います。
大切なのはやはり学校の現状を保護者や地域、そして子どもにも伝えることです。
部活動には意義があります。だからこそ変えていくべきなんです。
一度、外部協力者の方に入っていただければ様々な化学反応が起きます。
それぞれの想いを生かしつつ誰もが負担なくできるような「部活動の在り方」をみんなで検討していきましょう。
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